ヴァイオリンと旅行と投資

クラシック音楽,旅行,資産運用が趣味のエンジニアのブログ

専業主婦の妻が自宅の一室で趣味の教室を開業したら【扶養の種類,税の扶養,社会保険の扶養】

こんばんは、タカです。
先日、専業主婦の妻が自宅の一室で趣味の教室を開業しました。

これに伴い個人事業主となった妻がしなければならないこと(開業届と確定申告)と、支払う税金についてと、扶養(「所得税の扶養」と「社会保険の扶養」)について調べたことを備忘録としてまとめたので紹介します。

 

今回は扶養について紹介します。

 

目次

  1. 開業するにあたっての手続きについて
  2. 「収入」「所得」「課税所得」について
  3. 確定申告の種類について
  4. 支払う税金について
  5. 所得税
  6. 消費税
  7. 住民税
  8. 個人事業税
  9. 扶養の種類について
  10. 所得税の扶養」について
  11. 社会保険の扶養 (健康保険)」について
  12. 社会保険の扶養 (年金)」について

 1~3の「開業」「収入・所得」「確定申告」についてはこちら

4~8の「支払う税金について」「所得税」「消費税」「住民税」「個人事業税」についてはこちら

今回は9~12の扶養についてと、他に気を付けなければならないことについて紹介したいと思います。


⑨扶養の種類について
妻は今まで専業主婦であったため、いわゆる「旦那(私)に扶養されている状態」でした。
しかし「扶養」とひと口に言っても扶養には「税金の扶養」と「社会保険の扶養」の2種類があり、扶養の対象にできる家族等の範囲が異なります

 

⑩「所得税の扶養」について
まず「扶養控除」とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられる仕組みです。
我が家の場合、納税者は私、所得税法上の控除対象扶養親族は妻と子になります。
※控除とは、「ある金額から一定の金額を差し引くこと」です。
 サラリーマンである私の給与収入全てに税金がかかっているわけではありません。
 そこから基礎控除配偶者控除などの金額を引いた額に税率を掛けて税金の額が決定されていますので、控除の額が大きくなるほど課税対象になる所得額が少なくなり、支払うべき税金の負担が軽減されます。

つまり「所得税の扶養」では扶養している人数によって所得から一定の額が控除されるというものです。
所得税の扶養」に関する控除には、配偶者が対象の「配偶者控除」と「配偶者特別控除」と、配偶者以外の親族が対象になる「扶養控除」があります。
原則として「所得税の扶養」にする場合は同居している必要があります。
しかし「勤務・就学の都合で別居しており、これらの家族間で生活費・学資金等の送金が行われている」場合などは生計を一にしていると認められ、同居していなくても扶養にすることができます。  

今回の件は私の妻が開業したことによる変化ですので、配偶者が対象の控除についてのみまとめます。
配偶者の場合は、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」という控除の2種類があります。

  • 配偶者控除」は年間所得が38万円以下(2020年からは48万円以下)が基準となります。(給与所得のみの場合103万円以下)
  • 配偶者特別控除」は年間所得が38万円超~123万円以下(2020年からは48万円超え~133万円以下)の場合が基準となります。(給与所得のみの場合は収入が103万円超~201万円未満)
  • 配偶者の所得が123万円(2020年からは133万円)を超える場合は「配偶者控除」も「配偶者特別控除」もどちらも適用されません。(給与所得のみの場合は201万以上)

ここでいう配偶者とは法律上の配偶者と定められているので内縁では控除の対象外となります。
また「白色申告の事業専従者」や「納税者本人の合計所得が1,000万円を超える場合」など、控除の対象になるためには条件があります。

今回私の妻は専業主婦から開業したため、世間一般でよく聞く「パートやバイトによる給与収入103万円の壁」というものには当てはまりません。
まず控除の対象外になっていないか確認します。

  • 妻は「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出しましたので、「青色申告の事業専従者」となりますのでOK。
  • 上記の「納税者本人(旦那(私))」の合計所得は1,000万円以下ですのでOK。(いつか1,000万円を超えてみたいですが...)
    よって、妻の2020年の年間所得が48万円以下なら「配偶者控除」、48万円を超えて133万円以下の場合は「配偶者特別控除」が旦那(私)の所得(給与収入)に適用されます。
    133万円を超えると旦那(私)の給与収入に対し配偶者特別控除が適用されなくなり、私の支払う税金の額が増えます。

配偶者特別控除の額は以下の表の通り、「納税者(私)の合計所得金額」と「配偶者(妻)の所得金額」のどちらの条件によっても変わります。

f:id:violingineer:20200313233912j:plain

また、青色申告65万円を行った場合、妻の事業収入が、
 青色申告特別控除65万円 + 基礎控除48万円 = 113万円
までであると「所得税の扶養」のままでいられることができます。
青色申告10万円の場合は妻の事業収入が
 青色特別控除10万円 + 基礎控除48万円 = 58万円
までは「所得税の扶養」範囲となります。
これを超えると、超えてしまった分に対し妻が所得税を払わないといけなくなります。
がんばって複式簿記で帳簿をつけ、e-Taxで電子申告することにより、受けられる控除額を上げることのメリットは非常に大きいと言えます。

 

所得税に関しての扶養は、扶養している側(我が家では旦那の私)に恩恵があります。


⑪「社会保険の扶養 (健康保険)」について

私は会社員ですので「健康保険組合」の被保険者です。

妻は専業主婦だったので被保険者(私)の被扶養者として健康保険を利用しています。

この「社会保険における扶養の条件」は先述した「税金の扶養の条件」とは異なります

社会保険(健康保険)の被扶養者の基本条件は、

  • 年間収入が130万円未満であること (60歳以上または障害年金受給者の場合は180万円)。

  かつ

  • 連続する3か月の平均収入月額が108,334円未満であること (60歳以上または障害年金受給者は月額150,000円未満)。

となります。

※130万円は「所得」ではなく「収入」ですので注意が必要です。

 

ただし全国の健保組合によって扶養の条件はバラバラで、健保組合によっては130万円までOKだったり、開業届を出すと(事業主になると)収入がゼロでも扶養から外されるところもあるので必ず確認が必要です。

 

被扶養者の収入が130万円を超え、健康保険の被扶養者の条件から外れた場合、

  • 個人事業主の場合:市区町村が窓口となる「国民健康保険」に加入する必要があります。(いわゆる「こくほ」)
  • 妻がどこかの企業に属し収入を得ている場合:その会社の健康保険に自身で加入が必要となります。

国保の保険料は、前年の総所得によって決まります。

計算式があり、市町村のホームページで保険料を計算できるページが用意されていたりしますが、面倒な方は「国民健康保険平成○○年度保険料早見表」などと検索すれば参考情報が出てきます。

保険料の目安として平成31年度の保険料の例を紹介します。

  • 33万円未満:保険料(月額)4万3,500円
  • 33万円以上~60万円未満:保険料(月額)6万9,840円

被保険者が40~64歳の場合、介護保険料もプラスされるので値段は上がります。  

 

⑫「社会保険の扶養 (年金)」について

日本国民年金制度は日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入し、社会全体で支えあう制度です。

現役時代に被保険者として加入し毎月保険料を納め、将来、自分自身の生活を保障する年金を受け取ります。

被保険者の種類は3つあります。

  • 第1号被保険者:自営業,農業者とその家族,学生,無職の人など
  • 第2号被保険者:民間会社員,公務員など厚生年金・共済の加入者
  • 第3号被保険者:厚生年金・共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者

第3号被保険者の保険料は、配偶者が加入している個性年金や共済組合が一括して負担するので個別に納める必要がありません。

 

第3号被保険者から外れる条件

  • 第2号被保険者である配偶者が会社を退職したとき,亡くなったとき
  • 第3号被保険者である本人の年収が130万円以上になったとき

※第3号から外れた場合は第1号に加入が必要になります。

ちまたで言われる『130万円の壁』がこれにあたります。

第1号になってしまうと自分で保険料を支払わなくてななりません。

第1号被保険者の保険料は収入にかかわらず定額で、2020年度は月額1万7,000円となります。

4月に1年分の納付書が送られてきます。

 

 ※『所得税の扶養』は扶養している側(我が家では旦那の私)に恩恵がありましたが、『社会保険の扶養』は扶養されている側(我が家では妻)に恩恵があります。

 

★他に注意しなければならないこと

あと「税金の扶養」「社会保険の扶養」以外に注意しなければならないことがあります。
旦那(私)の勤める企業が独自に設定している「扶養加給」などがある場合です。
企業によって「扶養加給」が適用される条件は異なるので必ず確認が必要です。
私の勤める企業の場合、妻の所得が48万円を超える際、遅滞なく旦那(私)が勤める企業に「扶養加給」の取り消しを伝える必要があります。(パートなどの給与収入の場合は103万円)
これを怠たり「税金の扶養」から外れる妻の所得が48万円を超えた月以降も「扶養加給」を受け取っていることが後からわかると、その分を会社に返金しなければなりません。

 

私の妻が趣味の教室を自宅で開業すると決めてから素人なりに調べてまとめた内容は以上です。

 我が家のように専業主婦であった妻の開業した場合、旦那と妻それぞれにどのようなお金が関係してくるかの参考になれば嬉しいです。

さらに詳しく知りたい方はネットで「開業方法」や「確定申告の仕方」や「社会保険」などと検索していただければ、それぞれの項目でもっと詳しくわかりやすく説明して下さっているサイトが沢山ありますので、そちらを参考にして下さい。

 

ありがとうございました。