クレモナの遺産 (Legacy of Cremona) ルジェーロ・リッチが奏でる18挺の現代のヴァイオリン
こんばんは、タカです。
先日紹介したヴァイオリンの聞き比べができる『クレモナの栄光』と『What About This, Mr. Paganini ?』に引き続き、今日もヴァイオリンの聞き比べができるCDを紹介します。
クレモナの遺産 (Legacy of Cremona)
~ルジェーロ・リッチが奏でる18挺の現代のヴァイオリン~
このCDは以前紹介した『クレモナの栄光』の続編と言うべき1枚です。
ただ、『クレモナの栄光』や『What About This, Mr. Paganini ?』と異なり、オールドの名器を集めたものではなくコンテンポラリー(現代)のヴァイオリン作家18人による名器の弾き比べとなっています。
その18名の中から数名を紹介します。
- Gregg Alf:1957年ロサンゼルス産まれ。クレモナのヴァイオリン製作学校で学ぶミシガン州に工房を構える。
- Samuel Zygmuntowicz:1956年フィラデルフィア産まれ。アメリカの製作学校で学ぶ。ニューヨークのブルックリンに工房を構える。
- Primo Pistoni:1957年クレモナ産まれ。クレモナで製作活動。彼の1985年製チェロと1997年製ヴァイオリンはクレモナのヴァイオリン博物館に展示。
- John Dilworth:1954年ロンドン産まれ。ドーバー(イングランド),アムステルダム,ロンドンなどで製作を学ぶ。ロンドンに工房を構える。
- Luiz Bellini:ブラジル産まれ。アメリカなどで製作を学ぶ。1975年にニューヨークに工房を構える。
上記の通り、クレモナの製作者だけではなく年齢や出身地、製作活動の場所も様々な世界中の現代の優れたヴァイオリン製作者のヴァイオリンを使い録音しています。
ですので、「クレモナの~」というタイトルは以前の企画の『クレモナの栄光』を意識して名付けたものであるのは間違いありませんが、加えて、多くの世界的なヴァイオリン製作者を輩出し名器を生み出しヴァイオリン発展の礎を築いたクレモナの歴史、世界中に広まった技術と伝統という『遺産』を相続し、現代において生み出された名器という意味も込められていると感じます。
本CDでは18挺のヴァイオリンそれぞれの個性にあった(とリッチが考えた)小品の数々と、全ての楽器でベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の第2楽章へのカデンツァの弾き比べが収録されています。
また、使用されている楽器と製作者を紹介する写真入りのブックレットも同封されており、ブックレットを見ているだけでも非常に楽しめます。
収録内容
ルジェーロ・リッチ(Vn),塩崎典子(Piano)
01.ナルディーニ/ラルゲット
02.ドヴォルザーク/4つのロマンティックな小品より第1番 Op.75-1
03.シューベルト/プシホダ編/万霊節の日のための連祷
04.シベリウス/4つの小品 Op.72より第2番「ロマンス」
05.リスト/ミルシテイン編/コンソレーション(慰め) S.172/R.12より第3番
06.シューベルト/リッチ編/粉屋と小川
08.アクロン/ヘブライの旋律 Op.33
09.グラナドス/クライスラー編/スペイン舞曲集 Op.37より第5番「アンダルーサ」
10.サラサーテ/スペイン舞曲集 Op.21より第1番「マラゲーニャ」
11.リムスキー=コルサコフ/クライスラー編/歌劇「サトコ」より「インドの歌」
12.ドホナーニ/アンダンテ・ルバート・アッラ・ジンガレスカ Op.32d
13.パガニーニ/カンタービレ ニ長調 Op.17/MS.109
14.ワーグナー/ヴィルヘルミ編/アルバムの一葉
15.スコット/クライスラー編/蓮の花の国 Op.47-1
17.ヴィエニャフスキ/グノーの「ファウスト」による華麗なる幻想曲
18.チャイコフスキー/グリューン編/6つの小品 Op.51より第6番「感傷的なワルツ」
19~36.18挺のヴァイオリンによるベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 第2楽章へのカデンツァ
今後もいろいろなCDを紹介していきたいと思います。